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香川県議会議員「まいだ晴彦」から配信
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まいだ晴彦が活動報告と思いを配信します

by maichanx
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人間の復興ということについて
震災後の復興をどのように進めるのか、
意見が分かれる。

一気に過去を清算して、非合理的なものを取り除いていくのか
それとも
非合理的なものもそこに生きる人にとってはかけがえのないものとして抱えながらことに当たっていくのか

今も昔も同じような意見の対立があるようだ。

かつて、
1923年に起こった関東大震災当時
「人間の復興」
ということを主張された先生がいる。
東京商大、現在の一橋大学の福田徳三教授だ。
先生は翌年に出版した『復興経済の原理及び若干問題』という論文の中で
次のように主張しておられる。
必聴に値するので紹介する。

「私は復興事業の第一は、人間の復興でなければならぬと主張する。

人間の復興とは、
大災によって破壊せられた生存の機会の復興
を意味する。
今日の人間は、生存する為に、生活し、営業し労働せねばならぬ
即ち生存機会の復興は、
生活、営業及び労働機会(此れを総称して営生の機会という)の復興
を意味する。
道路や建物は、この営生の機会を維持し擁護する道具立てに過ぎない。
それらを復興しても、本体たり実質たる営生の機会が復興せられなければ何にもならぬのである。

さて、今被災地で進められている事業は先生が主張しておられる「営生の機会」を確保しようとしているだろうか。

東北地方は1933年にも津波に襲われている。
昭和三陸津波と命名されているが
その時も東北振興5カ年計画が策定され、国策として実施された。

さてその目的は?

当時の東北振興事務局長が『日本資源政策』という論文の中ではっきりと語っている。
国策としての実施だと。

では、国策とは何か?「東北振興の根本方針は、
東北地方の疲弊を改善して、国内の他の地方とほぼ同一の水準にし、その経済生活・社会生活を引き上ぐることにあるのではなく
国が要求する各種重要資源の給源(供給源)として東北地方を位置づけ、
其の域内に包蔵する人的・物的資源の利用開発を企図することだ。」

さて今回の復興計画、

国策」という言葉を「経済成長戦略」という言葉に置き換えただけの

大手企業による復興ビジネスにおとしめられないようにしなければならない。

なぜなら
『阪神・淡路大震災 復興10年総括検証・提言報告』(2005年)のなかでも
「阪神・淡路大震災で震災後2年間に集中した復興需要14.4兆円の90%が被災地外に流出したと
総括されているから。

先人の声に耳を傾け、歴史に学ぶ姿勢が大切なようだ。
by maichanx | 2012-03-14 00:00